実が落ちる前に

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貫井徳郎「乱反射」の感想(ネタバレあり)


乱反射 (朝日文庫)
 

 地方都市に住む幼児が、ある事故に巻き込まれる。原因の真相を追う新聞記者の父親が突き止めたのは、誰にでも心当たりのある、小さな罪の連鎖だった。決して法では裁けない「殺人」に、残された家族は沈黙するしかないのか?第63回日本推理作家協会賞受賞作。

朝日新聞出版文庫本裏)

 

感想(ネタバレあり)

風が吹けば桶屋が儲かるという話でした。これを言い出したらきりがないよなあ、と読みながら思いました。まあ、主人公のいう通り、当事者になったらこんなことは言っていられない、当事者になったことがないから言えることなのでしょうが。

てっきり、事故の原因をたどると最初の主人公の小さな罪につながる、あれがそもそものきっかけだったというオチなのだと思っていました。なので、最後の主人公の絶望シーンは、「なんだ、違うんかい」という肩透かし、まあ私が勝手に想像していただけなのですが、肩透かし感が大きくて主人公に共感することができなかった。肩透かしされた気分だったから、全然関係ないことを思い出して絶望する主人公にちょっと白けてしまいました。えっ、それとそれを一緒にしちゃう?みたいな、ね。

考えさせられるような、かといって考えなきゃいけないようなテーマを何も提示していないような、よくわからない作品でした。ただ、この手の話で600ページは長すぎかなあ。あと、これが推理作家協会賞というのも「?」でした