実が落ちる前に

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葉真中顕『絶叫』、感想とトリックのメモ(ネタバレありかも)

初めて読む作家さんです。『ロストケア』がデビュー作なのかな。『ロストケア』よりも先にこっちを読んでしまいました(´・ω・`)

ということで、感想とトリックのメモを書いておきます。 


絶叫 (光文社文庫)

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。平凡な人生を送るはずが、無縁社会ブラック企業、そしてより深い闇の世界へ……。辿り着いた先に待ち受ける予測不能の真実とは!? ミステリー、社会派サスペンス、エンタテインメント。小説の魅力を存分に注ぎ込み、さらなる高みに到達した衝撃作!

 

感想(ネタバレあり)

週刊誌のあちこちの記事に登場する「A子さん」を「鈴木陽子」にかえたような小説。無縁社会ブラック企業もに、デリヘルと色々出てくるけど……いや、次々に出てくるからかな、インスタントラーメンみたいに軽かった。バブル~現在までの日本の社会問題や時事ネタを鈴木陽子を通して一つずつ取り上げていったという感じ、現代社会の教科書に載せたらいいかもね。

保険金殺人や戸籍のトリックは目新しくはないけど、一人目二人目と換金していく工夫は新しいかなと思った。

ただ、神代の情婦(神代の家に出入りしていた女性)=マンションで死んでいた女性=鈴木陽子を警察は鈴木陽子の顔写真と近所の目撃情報だけで特定したのかな。鈴木陽子(マンションの死体)と神代殺人事件の関連性が分かった時点で、神代の体や現場に残った体毛・体液と死体のDNA鑑定をしたら、どちらが本物の鈴木陽子かは分からないけど神代を殺した女性(神代の情婦で犯行時に神代と一緒にいた女性)とマンションの女性が別人ということは分かるし、警察がそれをしていないのは不自然だなと思った。

さらに、八木の証言で鈴木陽子が神代を殺したのは分かったのだから、マンションの女性は別人ということも分かるはずなのに。うーん、警察、手抜きすぎじゃない?それとも、鈴木陽子は現場から逃亡する前に家中を掃除して回ったのか?シャワーを浴びたり、髪をかわかしたという描写はあったが、掃除の描写はなかったと思うけど(。´・ω・)?

ところで、鈴木陽子はいくら持って逃げたのだろう。八木は1000万円。でも、これまでの保険金殺人で神代が手にしたお金と神代を殺したことのリスクを考えたら、陽子は1000万円ではわりにあわないよね。せめて1億、でも1億じゃあ一生楽して暮らせる額じゃないしなあ。すみれちゃんになっても、学歴もキャリアも財産も何もないことにはかわりなさそうだし。私だったら、開店資金や新しい人生を始めるためには2億はほしいな。欲張りかな?でも1人換金するごとに1億円手にしていたわけだから、そのくらいはほしいよね。

トリックのメモ

戸籍、本籍地、新しい戸籍

保険、共済、自賠責