実が落ちる前に

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横関大「再会」の感想(ネタバレあり)第56回江戸川乱歩賞受賞作

 


再会 (講談社文庫) [ 横関大 ]
 

 小学校卒業の直前、悲しい記憶とともに拳銃をタイムカプセルに封じ込めた幼なじみ四人組。23年後、各々の道を歩んでいた彼らはある殺人事件をきっかけに再会する。わかっていることは一つだけ。四人の中に、拳銃を掘り出した人間がいる。繋がった過去と現在の事件の真相とは。〈第56回江戸川乱歩賞受賞作〉

(文庫本裏より)

 

感想(ネタバレあり)

とても読みやすい小説でした。視点が一つではなく、複数ある小説でしたが、視点が変わっても読みにくかったり混乱することはありませんでした。

事件はとても地味です。

事件が起き、その後、過去の事件が現在の事件に関わっていることが明らかになるという、推理小説ではよくあるパターンです。

読みやすい小説でしたが、読みながらトリックや真実を推理できるかというと……うーん、無理かな。視点が変わったとき、「実は……」と各登場人物が抱えている事情が明らかになっていくという感じなので、読者側が推理してどうこうという小説ではないと思います。悪い言い方をすれば後出しじゃんけん、でも読んでいる最中はそれほど気になりませんでした。

また、共犯者による銃の入れ替えについても、犯人が持っていた銃や残りの弾数などの情報が出てくるまで推理するのは難しいかなと思います。

現在の事件の犯人については、容疑者が4人しかいないし、そのうち1人は刑事で1人は真犯人をかばっていた、となると残りは……、あの人しかいないじゃん。動機やアリバイなどの面でストレート過ぎて「本当に?」という疑いは最後までありましたが。

共犯者についても、「警察の中にいる」と言われた時点で、南良と淳一以外の警察官はあの人しか登場していないしなあ……もう少し警察官の登場人物がいたら推理する楽しみがあったかも。

全体的に登場人物を節約しすぎな感じがしました。