実が落ちる前に

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貫井徳郎「神のふたつの貌」の感想(ネタバレあり)


神のふたつの貌 (文春文庫)
 

 ——神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは? 巧緻な仕掛けを駆使し、〝神の沈黙〟という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。  解説・鷹城 宏

(文春文庫文庫本裏)

 

感想(ネタバレあり・未読の方は見ないでください)

 

 

 

 この手の小説は、既存の宗教でしない方がいいかもしれないと思いました。

作中のキリスト教プロテスタントの説明・記述については、「これは違うんじゃないかなあ」という箇所もありましたし。私も別にキリスト教プロテスタントについて知っているわけではないけれど。

デビュー作のように、架空の新興宗教でやった方がよかったと思う。

 

この作品が推理小説なのかどうか(作者がそのつもりで書いたのかどうか)はわかりませんが、第一部から第二部に進む部分は、下の名前が出てこない・母親と妻の死に様が同じ(同じ事件ことを指しているように誤解する)など叙述トリックのような書き方になっていました。まあ、一度でも叙述トリックを読んだことがある人なら第二部に入った時点で分かる程度の叙述トリックですが。

種明かし(第一部から第二部の間に一世代進んでいること)も、ドラマチックに明かされるわけではないので、叙述トリック自体はこの作品ではあまり重要ではないのだと思います。

推理小説としては物足りないし、キリスト教の小説が読みたいのなら遠藤周作三浦綾子の方が読みごたえがあると思います。三浦綾子は私はあまり好きではなかったのですが。