実が落ちる前に

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有栖川有栖「ダリの繭」の感想とトリックのメモ(ネタバレあり)火村英生シリーズ


ダリの繭 (角川文庫) [ 有栖川有栖 ]
 

 幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリスムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けたこの天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が……!?事件解決に立ち上った推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なメッセージに挑む! ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。

(角川文庫文庫本裏)

 

 感想とトリックのメモ(ネタバレあり)

火村英生シリーズです。

孤島や吹雪の別荘に閉じ込められるわけではありません。

なかなかおもしろかったです。

真相は途中(弟が別荘を訪れることを弟と社長以外知らなかったというところ)で分かりました。

 

 

 

トリックのメモ

 

返り討ち、つまり純粋な被害者ではない

・現場は被害者・殺人者・殺人現場にいた者の3人で作られたために不可解な現場になる。準備~殺されるまでは被害者自身の手で、被害者が殺されてからは殺人者が現場にいた者に通報させない(あわよくば罪を着せるために)ための工夫をする。殺人現場にいた者はその後、自分が着せられそうになった無実の罪から逃れるための工夫をする。このため、ちぐはぐで不可解(犯人にとってのメリットが分からない苦労や工夫の数々)な現場が出来上がる。

・ヒゲは社長自身が身元をかくすためにそっていた。ヒゲをそった顔で凶器を買いに行く

・社長の元々の計画は、別荘で殺し遺体を被害者の自宅に運ぶこと。そのため、被害者自宅にある置きもの(持ち歩かないもの)を凶器に選び、もう一つ用意する。犯行現場は被害者の自宅だと錯覚させるために。またアリバイ作りのために弟を別荘に呼ぶ。