実が落ちる前に

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法月綸太郎「誰彼」の感想とトリックのメモ(ネタバレあり)

 

 
誰彼 (講談社文庫) [ 法月綸太郎 ]

 謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた!

 そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。死体は教祖? なぜ首を奪ったか? 連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは? 新鋭の骨格豊かな力作。

講談社文庫文庫本裏より)

 

感想(ネタバレあり)

綾辻行人の「殺人方程式 切断された死体の問題」を読んだ後、「そういえば、教祖様の頭が切断されるって似たような話があったような」と思って本棚を探した結果、見つけたのがこの本でした。

 

殺人方程式とこの作品で頭を切断する目的が違いますね。推理小説での死体切断やバラバラ死体のトリックの教科書に、二冊を読み比べるとよさそう。

 

推理小説での探偵では、「最後の最後、事件の真相が分かるまで沈黙を守る探偵」と「推理の過程や仮説、間違った推理をその都度披露していく探偵」の2つのタイプがいますが、法月綸太郎は後者のタイプ。いくつもの推理を披露するので、真相が分かる頃には「もうどれが正解で、どれが犯人でもいいや」という気持ちになりました(笑)でも、作者もこうやっていくつものトリックやパターンを考えては、練ったりこねくり回したり、ボツにしたりしながらプロットを作ったんだろうなと想像しながら読むと楽しいですね。

 

トリックのメモ

・頭部の切断は誰かを分からなくするため

・死体の候補は3人、死体と犯人の組合せ

・予告状の目的は、首なし死体と教祖様を結びつけること。兼仁のまま処理されたら困るから。

・エレベータは二階建て。上についた後、自動で下に戻ってくるのがミソ。